4.製本用に組んでみよう

 編集員から各編集原稿を集めたら、今度はそれを一つにまとめる作業に入ります。

 ここから先は編集長の地獄の作業が始まります。


編集長のイメージ図:           既に5回ほどWordが止まり無我の境地にある
編集長のイメージ図:           既に5回ほどWordが止まり無我の境地にある

 

4-1.編集原稿を一つにまとめてみる

 

 前回の編集地獄により、編集原稿が編集長の元へと届けられたはずです。しかし、真の地獄はここから始まります。

 まずは提出作品をどんな順番で載せるかの判断が求められます。冊子の雰囲気や規模に合わせ、軽く読み易いものを前の方に置くとか、特集をまとめてみたりとか、連載作品は後半に置くとか、そんなことを考えます。この作業は「目次」ページ製作にも関わってきますので、決定したら「目次」製作者にも教えましょう。

 

 そんなこんなで掲載順が決定したら、編集長は入稿用の原稿を作成することになります。大体以下の手順でやります。

 

 一.テンプレートと同じ設定のWordファイルを用意する。

 二.そこに「挿入」→「ファイル」で該当の編集原稿を選択。

 三.挿入ができたら奇数ページや偶数ページを調整。

 四.以下繰り返し。

 

 

≪特記≫

 奇数ページと偶数ページに関して。

 表紙が1ページなので、見開きの時に右にくるのが偶数ページ、左にくるのが奇数ページです。原稿の作り方は自由ですが、作品によっては奇数・偶数の指定があるものもあるので、気を着けましょう。

 (例:表紙付の作品は奇数始まりとか、前回のあらすじを偶数ページに挟むとか)

 

 

 という訳で、編集長の所で全ての編集原稿が一体化しました。

 この時点で、時と場合によっては余りの文字数の膨大さにWordさんは耐えきれず、死にます。

 全盛期は60万字くらいの編集で、ワンエディットワンキルの記録を打ち立てました。

 とにかく死にやすいので、こまめに保存しておいてください。

 死んだ時も焦らず慌てず、Ctrl+Sを連打して上書き保存してください。

 運が良ければデータは保存されます。

 


ヘッダーサンプル:左から「ページ番号」「作品名」「執筆者」
ヘッダーサンプル:左から「ページ番号」「作品名」「執筆者」

 

4-2.ヘッダーをどうにかする

 

 なんか投げやりなタイトルですが、本当にどうにかする必要があります。

 

 まず以上の作業で、編集原稿が一つにまとまったと思いますが、まだ大事な作業が残っています。それがヘッダーに関する作業です。ヘッダーがなんなのかというと、画像のようにWordの上の部分でページ数とかをいじるあれです。同じように下の部分はフッタ―とか言います。

 当冊子でヘッダーに記入するものは以下の通り。

 

 ・ページ数

 ・作品タイトル

 ・作者名

 ・連載やエッセイなど作品形式

 ・特集記事

 

 大体、これらを左右に分けて記載します。ですので最初に「ページ設定」→「その他」タブから「ヘッダーとフッター」の所の「奇数/偶数ページ別指定」にチェックを入れておいてください。

 

 テンプレのヘッダーには既に「ページ番号」は入っているので問題はありませんが、改めて調節する際は「ページ番号の挿入」で。また「ページ番号の書式設定」も合わせて見てみましょう。注意するのは以下の点です。

 

 ・表紙(表紙1)と表紙裏(表紙2)があるのでページ番号の「開始番号」は3ページ目から

 ・先頭セクション以外のヘッダーは「前のセクションから継続」を選択

 

 

≪特記≫

 ヘッダーでポチポチと文字を打ってると、高確率でWordさんが死にます。理由は解りません。が、死にます。ただでさえ死にやすい環境で上書き保存もせずにヘッダーさんを弄ることは自殺行為です。(経験則)

 そんな時に役立つ小ネタが「本文中に入力したい文字を打つ」→「切り取り」→「ヘッダーで貼り付け(形式選択のテキスト形式を忘れずに)」というものだ!

 これならヘッダーさんを弄る回数を減らせて、安全に作業ができるぞ!

 

 ここまで作業して忘れてはいけないのが、ヘッダーのナビゲーションで出てくる「前と同じヘッダー/フッター」をオフにすること。この「前と同じ」というのは、前のセクションと同じヘッダー/フッターを使うということなので、このチェックを外さないと作品ごとのヘッダーにタイトルを入力できなかったりする。

 

 基本的に編集する際に使ったテンプレでは、最後に「セクション区切り」が入っています。これは、このヘッダーの作業をやりやすくする為のものです。

 というのも、ヘッダーはセクションごとに編集を行うので、この区切りが無いと作品ごとにヘッダーが打てないからです。さらに「ページ設定」→「先頭ページのみ別指定」のチェックも外しておかないといけませんが、この先頭ページのみ別指定は別の『小ネタ』でも使えるので、そちらで解説します。

 

 

 という訳で、ヘッダーさんの作業は以上の通り。作業を順序でまとめてみるとこんな感じ。

 

 Ⅰ.先頭セクションに「ページ番号」を入力。(基本的に3ページ目から)

 Ⅱ.次のセクションから「前と同じヘッダー/フッター」をオフ。(ページ番号だけ残ります)

 Ⅲ.該当セクションで「作品名」や「作者名」をコピペで入力。

 Ⅳ.ヘッダーのナビゲーション「次を表示」で次のセクションへ。Ⅱから繰り返し。

 

 


 

4-3.細かい調整をしてみる

 

 なんだかんだでヘッダーの編集も終わり、大体完成に近づいていると思います。

 まとめてみると、冊子は以下のようなページの組み合わせでできています。

 

 1.中表紙(あれば)

 2.目次ページ(だいたい見開き)

 3.各作品

 4.執筆者紹介ページ

 5.あとがきページ

 6.奥付

 

≪特記≫

 当冊子では目次、執筆者紹介、あとがき、奥付なんかを予め画像化して「挿入」することをしています。理由はこれらが沢山のテキストボックスを使っている為、ちょっとのミスで全体が崩れたり、Wordそのものが重くなるとか、ろくなことが無いからです。イライラ解消の為に、見やすさを捨てて画像化という手段に出ました。そんな画像化も『小ネタ』で紹介!

 

 ここまで来る為に、いくらか調整も必要です。基本的に冊子を刷る際は4ページごとに区切る必要があるので、全体で「4の倍数」分ページ必要になります。その為、各作品や必要なページを組み合わせた後、以下みたいな作業を加えて4の倍数になるように調整します。

 

  ・偶数ページで終わってる作品に白紙ページを足す(見開きで半分が白紙になる形)

  ・1ページのコラムや宣伝ページを挿入する

 

 そうして総ページ数が確定したら、各作品の開始ページ数を目次ページの空いてる部分に挿入して(総ページ数が確定しないとグダグダになるので最後にやる)ひとまずは完成。

 その後、必要に応じて「隠しノンブル」を振ります。これについては『小ネタ』で詳しく解説するぞ!

 最後にページ数や奇数/偶数ページの違い、ヘッダーなんかを見直して大丈夫だったら、これで本文データは本当に完了だ!

 

 さぁ、次は新しい地獄の入稿だ!

 

 

 


    3.編集してみよう(後編) ≪  4.製本用に組んでみよう  ≫ 5.入稿してみよう