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【一般図書ひとくち紹介 ver.2012秋】


ブラッドレー・ボンド、フィリップ・N・モーゼズ/本兌有、杉ライカ訳『ニンジャスレイヤー』(書き手:橘あき)

 ――ネオサイタマ炎上。

 

 その響きにちょっとでもクスリときてしまったアナタは、この作品を読んでみてはどうだろう。

 

 妻子をニンジャに殺されたフジキド・ケンジに謎のニンジャソウル「ナラク・ニンジャ」が憑依!

 

 その結果、ニンジャ殺しのニンジャ「ニンジャスレイヤー」が誕生する!!

 

 独特の世界観と台詞回しにハマればあなたも立派なニンジャヘッズだ!

 

京極夏彦『姑獲鳥の夏』(書き手:希月くらげ)

「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

 

 二十箇月間も子を身篭る娘、消失した夫……

 

 度重なる怪事件を前に京極堂は告げる。

 

 姑獲鳥(こかくちょう)は何故ウブメとなったのか――

 

 その謎を解いた時、あなたからも“何か”が落ちる。

道尾秀介ら『蝦蟇倉市事件』(書き手:)

 年間平均十五件もの不可能犯罪が起こる街、蝦蟇倉市。

 

 この架空の街を舞台に十一人のミステリ作家がちょっと不思議でちょっと物騒な物語を綴ります。

 

 

 さあ、アナタもレッツ蝦蟇倉!

小川洋子『妊娠カレンダー』(書き手:檜村灯枝)

『博士を愛した数式』の小川洋子さんの91年第104回芥川受賞作です。「妊娠」という、一見幸せの象徴のようなことが、なぜかそう思えない方向に話は進んでいきます。元々神経質だった“姉”は、妊娠をきっかけにつわりに苦しみ、更に苛立ち、そんな姉を見て、“妹”は妊娠している姉や、姉とその夫(義兄)の関係、そして“妊娠”そのものに疑問を抱く。

 

 

 妊娠している姉に化学薬品に染まったグレープフルーツのジャムを与える妹を、あなたは恐いと思いますか?

 

 

 他に短編が二作載ってます。

ライオネル・シュライヴァー/光野多恵子ら訳『少年は残酷な弓を射る』(書き手:伽深)

 少々衝撃的な内容ですが、これから親になる人、すでに親の人には是非とも読んでいただきたい作品です!

 

 母と子、愛憎入り交じったこの話に、目を背けたくなることがあると思います。でも最後は涙なしには読めません。

 

 元々は日本ではその内容の過激さから小説、映画ともに発表されていませんでしたが、海外での評価の高さからどちらも日本に入って来ました。

 

 

 親子という関係がどれほど身近であり、複雑であるかわかると思いますぞ!

田中ロミオ『人類は衰退しました』(書き手:璋儷の璋の方)

 題名の通り、人類が衰退の未知を歩んでいる世界のお話です。この世界で人は「旧人類」であり、妖精さん達が「今の人類」になっています。妖精さん達は楽しい事と甘いお菓子が好きでお菓子作りが趣味の主人公のわたしちゃんと不思議で楽しく、でも少しシリアス(?)な生活を送っています。

 

 妖精さんが超可愛いです♥ この間、アニメ化もされたのでアニメの方も是非!!

 

 七巻まで発売中!

 

支倉凍砂『狼と香辛料』(書き手:星井大希)

「この取引は、明らかに王の弱味に漬け込む取引です」

 

 第十二回電撃小説大賞<銀賞>受賞。行商人ロレンスは賢狼ホロとともに旅をする子になります。

 

 金融、取引、商売、密輸など経済の知識を駆使したストーリーなので、経済系の人でも気軽に読めます。

 

 

 専門分野をライトノベルに取り入れた作品として、高く評価されています。

エイモス・チュツオーラ『やし酒のみ』(書き手:常山切子)

 やし酒をこよなく愛する主人公による、アフリカの神話譚!

 

 ちょっと変わった話を読みたい人におすすめです!

火坂雅志『花月秘拳行』(書き手:柴田勝家)

 桜の花と月が大好きなお坊さん、西行。

 

 なんとこの西行さん、拳法の使い手。

 

 和歌も好きな西行さんは、有名な歌枕の知をたずねながら、各地の謎の拳法家を倒していく。ラストは、ミステリ要素もある「和歌地獄」に挑む!

桜庭一樹『推定少女』(書き手:緒方規慎)

 スーパーファミコンはお好きですか。

 

 RPGはお好きですか。

 

 クロノトリガーはお好きですね。

 

 クロノトリガーといえば、マルチエンディングですか。ぼくはカエルが好きです。

 

 小説でマルチエンディングを楽しみたい方、必読!

 

 直木賞作家桜庭氏が書き上げた本作は三つのエンディングが用意されています!強くてニューゲームはありません。

 

渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(書き手:吉富)

 “ぼっちラブコメ爆誕!! リア充なんてクソ食らえ!?”

 

 正確に難があり俗に言う“ぼっち”である主人公がおりなすラブコメである。

 

 ライトノベルでありながらも哲学的な思想などが描かれたりするが、

 

 その思想が大体“ぼっち”であることへの言い訳に使われているのが残念。

 

 余談であるが、作者は千葉県民で、コロコロローカルネタが出てくる。

 

 そこにも注目していただきたい。

トーマス・マン『魔の山』(書き手:美夜日)

 単純な青年ハンス・カストルプが従兄をお見舞いにスイスのサナトリウムへ行くと、

 

 自分も病気と診断され、そのままそこに留まり療養生活を送ることになる……。

 

 国際高級サナトリウムで交わされる哲学的議論の数々。

 

 迫りくる第一次世界大戦。教養(ビルドゥングス)小説(ロマン)の最高峰、超名作!

小野不由美『屍鬼』(書き手:望月愛太郎)

 ある村で起きる猟奇事件。そしてそれを切っ掛けに連続する村人の死

 

 これは業の話です。怖いです何もかも。

小泉喜美子『弁護側の証人』(書き手:璋儷の儷の方)

 この本は昭和38年2月に、文藝春秋社の「ポケット文春」の1冊として、出版されたものです。

 

 やや古い言い回しもあるにせよとても読みやすく一気に読めちゃうと思います。

 

 読後は小泉さんの構成力、文章力に唸らされます。

 

 (私はしばらく興奮して眠れませんでした。)

 

 騙されたい人必見です!!!

 

野中柊『ひな菊とペパーミント』(書き手:夜白真綿)

 13歳、中学生、普通の女の子。

 

 少女の世界は、愛によって一変した。

 

 ただようペパーミント。初恋。カルピス。

 

 青空からは音がして、少女の隣には、誰か。

 

 忘れかけていた青春は、ここにあった。