実際に文章を流し込むことに成功したら、今度は地獄の編集規則に合わせた編集の始まり。
作品の誤字や脱字を見つけたり、作者のあげあしを取る作業もここ。喧嘩しちゃダメ。
3-1.禁則事項に従って体裁を整える
ここから先は編集員が、各原稿を禁則事項に合わせて直しつつ、誤字脱字や明らかに間違っている言葉を見つけて体裁を整える作業になります。
まず基本的な原稿の作成方法や禁則事項を守っているかどうかのチェックが入ります。
〔こんなのが禁則事項〕
・文頭に全角1字分のスペースをあける
・ダッシュ(――)と三点リーダ(……)は偶数個使用する
・!や?の後にはスペースをあける
・行頭に閉じ括弧(」、』)句読点(、。)、反復記号(々、ヽ)等が来ないようにする
(これは右クリック「段落」の「体裁」タブの「禁則処理を行う」をチェックすれば解決)
〔作品によって見逃す禁則事項〕
・括弧内に句点をつける。「こんな風に。」
・文頭のダッシュや括弧の前にスペースをあける(本来はスペースが無くても良い)
・行頭の拗音(ゃゅょ)・促音(っ)
≪特記≫
Wordで原稿を作成すると、文頭のスペースが自動で空く機能(段落の体裁タブで確認可能)がありますが、これを「テキスト形式で貼り付け」した場合、スペースが潰れて詰まっている時があります。
こういう時は、元原稿を見直しながら新たにスペースを入れてください。
3-2.編集規則に合わせて編集する
ここでの編集規則は、基本的にいつも当冊子を作る際に行っていることです。
主な作業は以下の通り。
・ルビを振る
・!?や?!を直す
・ダッシュを直す
・傍点をつける
・特殊な記号やフォントを再現する
下の画像で矢印がある所が、編集するポイント。
作業1・ルビを振る
原稿をテキストでテンプレに流し込むと、元の原稿で振っていたルビは全部取れてしまいます。
ルビが振ってあった部分は、該当単語の下に丸括弧でくくられて表示されてます。
編集では再び「拡張書式」→「ルビ」で、該当単語にルビを振る作業を行います。
ルビを振り終えたら、丸括弧と中の単語は消して、原稿に近い形にしましょう。
≪特記≫
以上のように、ルビの箇所は丸括弧の部分なので解り易いですが
もしも編集中にどこがルビだか解らなくなった場合、原稿を見返す必要があります。
その際、てっとり早くルビを探す方法があるので、それは個別に『小ネタ』ページで解説。
作業2・!?や?!を直す
意外と便利な!?などの表現ですが、半角記号の組み合わせなので流し込むと横書きになります。
元の形に近づける為に、これも「拡張書式」→「縦中横」で縦書きの形にします。
作業3・ダッシュを直す
基本的にダッシュは偶数個なんですが、普段使っているフォントだとダッシュ同士に隙間ができて
どうにも落ち着かないので、当冊子ではダッシュ一つを二倍にして代用しています。
「フォント」→「文字幅と間隔」→「倍率:200%」という感じで。
ダッシュが4つ以上の箇所は、倍率の所に直入力で「400%」とかにします。
作業4・傍点をつける
原稿にある該当語を選んで「フォント」→「傍点」でつける事ができます。
しかし、編集していると一番見落とし易いのが、この傍点があった場合。
もちろん、原稿を見返しつつ作業をすれば安心ですが、漏れが無いように最後に確認も必要。
そんな時に便利なテクニックもこちら! 『小ネタ』ページで紹介するよ!
作業5・特殊な記号やフォントを再現する
フォントを変えている箇所などは、流し込んだ際にテンプレの物に置き換わってしまうので
もう一度、原稿を見返して該当語のフォントを確認、同じもので再現してみよう。
もし作者のPCにはあるけど編集者のPCには無いようなフォントを使っていたら。
それは知りません。
よっぽどのこだわりが無い限りは、編集者の環境優先です。許せ!
3-3.タイトルと作者名、あおりをいれる
テンプレにはタイトルを作者名を入れるテキストボックスがあります。
ここの所に、ぽちぽちとタイトルと作者名を入れてください。
ついでに右上の所に「あおり」を入れる所があります。
あおりは作者の指定があればそれを入れますが、何も無い場合は編集員が自由に入れます。
編集員のコピーセンスが問われる、小さな戦場です。
上手いこと行けば作品の質を向上させ、「これ良いあおりだよね!」とか褒めて貰えます。
逆に下手な文言を書くと、半永久的に部内でネタにされる諸刃の剣。
以上のような形で各作品の編集が済んだら、この時点で編集員は編集済原稿を編集長に送ります。
そうしたら次は、編集長が製本用に組みます。
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